フワッと香った瞬間
”ココロ”リセット♩
冬はぬる燗がおススメ!
※7月〜9月頃まではクール便のみの配送となります※
Profile
タイプ/白(辛口度 ★★★★☆)
産地/スロヴェニア、プリモルスカ
生産者/KABAJ(カバイ)
品種/フリウラーノ(=トカイ、ソーヴィニョン・ヴェール、ナーゼ)
ヴィンテージ/2018
アルコール度数/13%
容量/750ml
適温/17℃
Taste
KABAJワインには珍しく軽くてフルーティーです。白い小花、ライチ、白桃のシロップ漬け、はちみつなどの甘い香りにうっとり。ワインは辛口ですが、甘やかさや軽やかさの中にも、果実味がコックリしている印象です。酸は滑らかで全体的に丸く優しいワインです。夏場は軽く冷やし、気温の低い時期は、常温でお召し上がり下さい。また、40℃に湯煎してぬる燗にしても美味しく頂けます。その他のKABAJワイン(スティルワイン)も全てぬる燗でお召し上がり頂けます。
Marriage
《おすすめの料理》華やかなアロマなので軽め〜中ぐらいのボリュームのお料理が合います。チキン南蛮、エビフライ(タルタルソース)、稲荷寿司、アボカドロール、チキンの照り焼き、豚の生姜焼き、なめ茸など。味醂との相性が良いです。スイーツなら桃のタルトのバニラアイス添え、杏子のクッキー、クレームブリュレが食べたいです。(願望)
Wine Making
3度の来日を経験しているKABAJワイナリー、当主ジャンが手掛ける軽めのオレンジワインです。ワイン名のラヴァン/Ravanは、畑の区画名です。品種はフリウラーノを使っています。かつてトカイ・フリウラーノと呼ばれていた品種です。2009年にハンガリーのトカイワイン(甘口ワイン)を守るべく、“トカイ/Tokaj”の文言が使用禁止になりました。現在はトカイを取って単にフリウラーノと呼んでいます。ヤーコットと言っている生産者もいますが、このお話は長くなるので、また別の機会に致しましょう。KABAJのワイン畑は、フリウリの隣のゴリシュカ・ブルダです。ゴリシュカ・ブルダでは、果皮を醸したワインが盛んに造られています。流行とは関係なく、100年前から醸しワインが造られています。そう、この国では【醸しは文化】なのです。もちろんKABAJもオレンジワインを得意とします。アンフォラを使った白ワインや赤ワインを含め、全てのワインを醸して造っています。ラヴァンも例外ではありません。摘み取ったぶどうは破砕して果皮ごと1週間ほど浸漬します。その間、発酵層上部の蓋は完全に外します。酸素が供給され過ぎるのでバトナージュは施しません。その代わりルモンタージュ(=ポンピングオーバー、ポンプでタンク底の果汁を吸い上げタンク上部から注ぎ入れて、果帽を循環させる方法)をします。醸す時間を長くとることによって、果皮、種の成分が果汁に移行し、ワインの色合いは濃くなります。味わいにおいては、フルーティーさ(ぶどう自体の風味とブーケ)とミネラルさを兼ね備えます。その後、225リッターのフレンチオークで18ヶ月熟成させました。月光の元3000リッターのタンクで清澄、軽くフィルターをかけ収穫から3年後にボトリングしました(プロシュート並みに時間をかけて完成です)
Story
最も古く、最も新しいワイン造り
KABAJがスロヴェニア全土で注目されている理由の一つが、ジャンがフランス人であるからかもしれません。ジャンはボルドー出身で若いころからワイン造りに身を置いてきました。ボルドーを皮切りに、イタリア、ジョージアと修業に繰り出します。最終的にはスロヴェニア人と結婚して、イタリアとスロヴェニアの国境の街、ゴリシュカ・ブルダで落ち着きました。その類まれな人間力から、時に人々を遠ざけ、また魅了してきました。韓国人インポーターのフィリッポを除いては、ジャンをコントロール下に置くことは家族ですら不可能です。ジャンに関して困った時は、皆フィリッポを頼りにします。彼のことをよく知る人の間では、【破壊と創造のジャン・ミッシェル・モレル】と呼ばれています。スロヴェニアではジャンの名を知らぬ者はいません。実にクレイジーで賢い男です。コミュニケーション能力にも優れているので、7ヶ国語を器用に使い分けられます。持ち前の営業力から、KABAJワインの95%はEUやアメリカなどの海外で消費されます。造り手にしては珍しく、腕が良いだけでなくPR推進力と2足のわらじを履きこなしています。そんな個性的でぶっ飛んだ人が造るのがKABAJワインです。
かねてからジャンは、まっすぐな姿勢でワインを造ってきました。奥さまカティヤの実家であるKABAJ家の歴史を尊重し、自然を慈しみ、一切の妥協もなくワインと向き合ってきました。ぶどうは農作物なので、その年によってクオリティも収量も異なります。ヴィンテージ毎のバラツキが甚だしく、この年は99点で別の年は30点と、年の差があるのは自然の産物だから仕方がないことだ。という生産者もいます。ジャンに言わせれば、それはナチュラルワインに甘んじるような造り手で、単に醸造技術が低いのだろうと。自身の失敗を天候や食材などの条件のせいにするようなシェフは、プロとは言えません。量産される工業ワインを除いて、通常は多少なりとも年の差は表れます。ところが、さほどヴィンテージを感じさせないのが、ジャンのワインです。試飲なしで仕入れができる唯一のワイナリーです。ワインはとても安定しているのです。その安心の裏には、私たちの想像をはるかに超える、細心のケアと愛情があります。
数々の研修地の中でも、とりわけジャンはジョージアワインに感化されました。わざわざジョージアからアンフォラ(クヴェヴリ)を陸送して、カーヴに埋めるほどの熱の入れようです。アンフォラを使用するワイナリー25社から結成される、『XELOBA KARTULI協会』のメンバーでもあります。彼らの共通の想いは、ワインの起源である「昔ながらの自然なワイン造りへの回帰」です。古代の技術を現代のワイン造りにも取り入れることを目的とし、日夜、その研究と促進に取組んでいます。このワイン造りは最も古く、かつ最もモダンです。赤ワインのように果皮ごと醸造を施した白ワイン(オレンジワイン)をスロヴェニアでは、”After old wine”と呼んでいます。昔のワインのその後・・・・、まだまだ生産者たちの挑戦は続きます。
土壌はワインの前身で、最もワインに影響を与えています。ミネラルが豊富で健全な土とハイクオリティのぶどうありきの考えで、最高のぶどうから最高のKABAJワインは造られるのです。土壌のテロワール以上に、ジャン自身の個性(キャラクター)がワインに具現化されていると感じます。「自分が手掛けたワインは、他の誰よりも自分が愛さなければならない」とジャンは語ります。ワインそのものが、ワイン造りにおける哲学を示しています。KABAJの世界を知るには、ワインを飲むのが一番わかりやすいです。彼のワインがきっかけで、私たちはワインとジャンのことが大好きになりました。機会がございましたら、ぜひご賞味下さいませ。
KABAJ(カバイ)の生産者についてはコチラ