ワインは自由だ!最終的にワインが消費された時、自由の本質が明かされる −Stojan Usaj
イタリアの国境からやや内陸に位置するCrnice(チェルニーチェ)に拠点を置きます。USSAIは所有畑6haの家族経営のワイナリーです。小さいながらもスロヴェニアでは、名を馳せる自然派ワインの造り手です。現在、父ストヤンは若手の息子であるダボリン(Davorin)とクレメン(Klemen)にワイナリーを概ね任せています。今でもストヤンは畑仕事を率先し、兄弟はカーヴの主として働きます。父と息子の「トリオ」は、4世代続くファミリーの中でも期待の星です。
自然なワインを造るには、「健全」で「完熟した」ぶどうが不可欠です。そう、全ての物語は畑ではじまるのです。幸いにもUSSAIのぶどう木はゆっくりと着実に育っています。20世紀に植えられた樹齢70年の木々は今もなお健在です。収量は1L/本以下に抑え剪定を短くした結果、1本の木から1本のワインが生まれるというスタイルが確立しました。毎年のぶどうの良し悪しにより、ぶどうの質が健全と完熟に満たない場合は、生産量を極端に抑えたり(700本)、あるいは当該キュヴェに限定してその年は造らないといったストイックな方法で品質を守ります。
9月下旬に収穫されたぶどうは、12時間醸した後、ソフトプレスを経てステンレスタンクで8ヶ月熟成が施されます。全てのワインをタンクに合わせて更に3ヶ月間なじませます。樽は一切使っていないので、果実そのものの魅力が味わえます。