スロヴェニアワイン専門・365wine
クリアでオレンジがかった黄金色のワインからは、アカシア、アプリコット、黄桃、黄りんご、オレンジピール、干草などの複雑な香りが広がります。年代物の梅酒のような、落ち着き感もあります。ひと口飲むと、そこはワインとは別世界。「貴方は何者ですか?」と問いたくなるような不思議なワインです。ドライな味わいの中にも、温和で熟したタンニンが丸みを帯び、酸が全体を美しくまとめます。まるで『夕焼けのような暖かさと優しさ』を兼ね備えたワインです。アフターの旨味と複雑さが、余韻として記憶に刻まれます。
《おすすめの料理》豚の角煮、イチボステーキ山わさびソース、柚子胡椒のポークソテー、山椒がきいた麻婆豆腐、ドライアプリコット。ボリューミーな料理と相性が良いです。味が濃くても辛くてもOK!それだけワインもしっかりとした味わいと骨格だからです。ワインは冷やし過ぎず15℃~18℃の高めの温度がイチオシです。
MANSUS(マンスース)は、"The old way wines"をモットーとし、人の手の介入を極力避けて、昔ながらの方法でワインを造っています。最新悦(機械&技術)に頼るのではなく、哲学や理念を重んじ、畑(ぶどう木と土壌)に対する愛情や向き合い方(扱い方)、ぶどうを育む太陽などの自然が、むしろ大切だと当主ボクダム マコベッツは語ります。環境に配慮した農法や天然酵母の使用、古くからの製法を頑なに守ります。人間は最低限のことを行えば、後は自然が全てやってくれるという理念を通して、テロワールとぶどう本来の味をワインで具現化します。特に赤ワインのように果皮ごと醸して醸造した白ワイン(オレンジワイン)を得意とし、それらはスロヴェニアでは”After old wine”と言われています。昔の時代の醸造技術をリスペクトし、現在に戻そうという試みです。醸す時間が長期に渡ったワインには、天然コルクが用いられ、瓶内で長く生き続けます。
クラルニツァ/Klarnicaは、スロヴェニアの土着品種の中でも、とても古く珍しい品種です。16世紀に実在したクララ/Klaraという名の美女に由来します。彼女は住み家を囲むように、このぶどうの木を庭に植えました。近所の人達のせんさく好きな目から逃れるため、あるいは数えきれない求婚者から身を隠すためにです。歳月は流れクララの植えたぶどうは、現在はクラルニツァとして知られるようになりました。 1523年の初頭、クラルニツァに関して古い記述が残っています。かつてプリモルスカ地方で広く普及していた品種でしたが、単独使用ではなくブレンド用として使われていました。その後、外来の国際品種の登場でクラルニツァは殆どの畑から姿を消しました。「何とかしてクラルニツァを守りたい!」そんな想いから、当主マコベッツは絶滅の危機から救うべく、多大な苦労を背負いました。畑での10年の時が実を結び、彼の育てたクラルニツァは国から正当な品種として認められます。最初のワインのボトリングは1996年に行われました。彼はクラルニツァに再びスポットライトを浴びせ、その価値を引き出すことに成功しました。 クラルニツァは絶滅に瀕した品種だけあって、全世界で作付け面積が3ha(300m×300m)しかありません。MANSUSともう数社しか所有していない極めて稀な品種のため、スロヴェニア人でも「えっ、クラルニツァあるんだ!」と驚き珍しがります。ヴィパヴア谷が原産でゴリシカブルダ(Goriška brda)やクラス(Kras)でも少しばかりか栽培されています。遅熟なので収穫は11月に入ってから、あるいは天候により、もっと遅い時期に摘まれます。MANSUSのクラルニツァの平均樹齢は30年です。うどんこ病に弱く非常にデリケートな品種なので、栽培が難しいと言われています。ぶどうの果皮が厚いのが特徴で、灰色カビ病(黒ぶどうに発生すると病気とされますが、白ぶどうに発生すると貴腐ワインに欠かせないボトリティスシネリア菌となります)そのおかげで、上質な甘口ワインにもなります。(その場合の収穫時期は翌3月です) ワイン造りではアカシアで作られた開放型の容器で、果皮ごと21日間醸します。その後、シュールリー(滓とワインを接触させる醸造方法)で、チェリー、アカシア、オークの3種類の小樽で18ヶ月間の熟成を行います。ぶどう本来の風味やテロワールを残すため、フィルターには通さず、上澄み部分だけをボトリングします。繊細でナチュラルなワインに仕上がります。 Read more ↓↓↓